健康経営はいいことづくめ
- Toru Takahashi
- 2024年2月10日
- 読了時間: 5分
更新日:2024年8月8日

有り難迷惑という声も聞こえてきますが、例の「働き方改革」により、ブラック企業が蔓延する時代ではなくなったようです。CMにあった決まり文句「24時間働けますか」を実行したら1日8時間(休憩1時間)、週40時間と決められている労働基準法違反になってしまいます。
しかし、大手を振ってホワイト企業と名乗れる事業所はどれだけあるのかは疑問です。そこで、今流行りの言葉を使えば、Well-beingとなりますが、海外から輸入された概念ゆえに、日本では「絵に描いた餅」になってしまうような気がするのは、私だけでしょうか?
働き過ぎはご法度です。例の一流広告代理店で、エリートとして入社した女性が、心身の過労により命を絶った話を覚えている人も多いでしょう。そこまで酷くなくても、自分をすり減らして仕事をしている人が、大きな割合を占めているのが、現実のようです。
そんな時、素晴らしい言葉に出会いました。労働者の健康は、コストではなく投資の対象にすべきである。健康経営の考え方から出されたキャッチコピーです。我が意を得たりと、思いました。これこそ、従業員を人間扱いしている象徴的な言葉だと思うからです。
健康経営に関する勉強が始まりました。まずは、日本が抱える問題からです。長年言われてきた少子高齢化は、労働者人口の減少を引き起こします。ITの時代に、皮肉にも人手不足状態になるのです。2024問題としては、運送業に様々な縛りがかけれれ、トラック運転手不足が、深刻化するそうです。
YouTubeで、健康経営に関するコンテンツをみたところ、人手不足を補填する人は高齢者しかいなくなったという考え方が述べられていました。高齢であっても元気に働いてもらうには健康管理へのきめ細やかな対応です。それを自己責任と処理する時代ではなくなりました。事業所としての責任ある対応が、当然求められるわけです。
結局、少子高齢化の課題と働き方改革両方の解決策として、経済産業省が施作として打ち出したのが、健康経営だと言えます。健康に関することは、本来ならば、厚生労働省の管轄であるはずです。それを承知の上での施作だとするならば、日本経済が相当深刻な問題を抱えていると、考えていいかと思います。
全ての法人に、健康経営が求められている時代となっています。乗り遅れてはいけません。
私自身も、職業柄経済的知識に乏しく、久しぶりに勉強してみるかと、東京商工会議所による健康経営アドバイザー資格取得を目的として、送られてきたテキストと格闘してきました。
まずは横文字の専門用語に苦しみました。しかし、今となっては、経済学部に入り直したいと思うほど、この分野の面白さや奥深さに魅了されています。新たな社会勉強の真っ最中。
例えば、「労働生産性の向上」について。従業員が健康状態・生活習慣は、労働生産性と密接に関わっています。この問題を放置することなく、「攻めの健康経営」によってパフォーマンスの低下を抑制することが求められますが、体調不良の状況を正しく理解すべきです。
体調不良の状態は、二種類の状態が考えられます。何らかの病気により勤務を休む状態(アブセンティーズム)と、出勤はしているものの、体調が優れず生産性が低下している状態(プレゼンティーズム)に分けることができます。
さて、どちらの状態が労働生産性の損失に影響が大きいでしょうか?経済産業省が発表している研究の結果においては、アブセンティーズム4%、プレゼンティーズムが79%という、驚くべく結果になっています。
プレゼンティーズムの従業員の体調不良の要因は、生活習慣病等の身体の病気と、慢性疲労症候群やうつ病など心の病気が挙げられます。健全で働きやすい職場環境を整えていく、メンタルヘルス面への配慮が欠かせないことを意味しています。
話は変わり、「社会的評価と企業イメージの向上」について。健康経営優良法人に認定されると、会社の知名度向上が期待できます。加えて、採用に対する応募者が増えて、優秀な人材の採用が、顧客等のステークホルダーからの賛同が期待できます。
また、企業の持続的な成長につながります。事業資金の金利優遇や様々な補助金・助成金が設けられたり、公共調達の加点要因となり、入札で少しでも優位に立つことができれば、受注の可能性が広がります。
健康経営優良法人認定は、全国バージョンと秋田県バージョンがあります。最終的には、審査書類での審査になりますが、認定への具体的な取り組みが、法人自体の成長にも、確実につながっていくと考えられます。
しかし、残念ながら、本件での認定法人は少なく、本荘由利地域では、ほんの数件というのが現状です。しかし、健康経営優良法人認定はいいことづくめです。早い者勝ち状態になるのも近いと推定されます。
健康経営アドバイザー資格についても、初めて目にした方も多いのではないかと思います。この資格は、通常は中小企業診断士や社会保険労務士などの方々のテリトリーに属する場合が多いようです。しかし、臨床心理学分野には、疎い方も多いと考えられます。健康経営で重視すべきは、従業員です。特に、従業員の心の健康だと思います。
私は、使い勝手のいい存在だと自負しております。荒れた学校を鎮静化した実績がありますので、集団相手は得意分野です。ライフワークは、ふるさと本荘由利の活性化です。どうぞ、お気軽に声かけいただきますように。

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