ユングは不思議⑧
- Toru Takahashi
- 2023年12月8日
- 読了時間: 5分
更新日:2023年12月19日

今まで見てきた数え切れない「夢」の中で、登場人物、場所、主なストーリーを覚えているのは、いくつかあります。逆に、朝目覚めて、身支度をする間の僅かな時の中で、消えるが如く忘れてしまう夢が、大多数かと思います。
夢は、日常生活で無意識に抑圧してきた感情が染み出してくる現象だと言われています。主に不愉快な記憶が、姿を変えて出てきます。大雑把な捉え方をすると、生活の中で抑えつけていた不快感を、無意識の中にぶち込んで、それでも消化不良になっている感情を、きれいに処理する行為が夢ではないかと思います。一晩寝たら忘れ去るという現象です。
しかし、実際には、愉快な夢や感動する夢も見ますから、「抑圧」とは言えない感情が無意識に閉じ込められていると、考えることができます。日常生活と同じく、夢にも喜怒哀楽があるのが、ごく普通の心情でしょう。
ユングの理論によく出てくるのが「相補性」という概念です。例えば、タイプ論で述べられている対立する、内向ー外向の一般的態度心理機能相互が、シーソーのようにバランスを取るため変化して、性格の変化をもたらしている状態です。ここで、話が急に面倒になりました。私の説明能力欠如がもたらすものなので、理解不十分な理論の上っ面だけ食い散らかして進んでいくわけです。
そこで、意識と無意識の橋渡しをするのが夢で、その相補性によって、自己のバランスが維持されるという勝手な定義づけとします。これ以上、難解なユング理論における「夢分析」をあれこれ論じても、ボロを出して終了という破目に陥ることでしょうから、この程度で誤魔化しておきます。本稿では、私なりの思いを、面白半分に書き綴っていこうと思います。
公言していいのか、良くないのか、判断に迷う夢が一種類あります。シュチエーションは異なりますが、メインストーリーは同一の夢を、今まで数多く見てきました。確か、中学生の頃から今まで、50年以上見続けてきました。
ここまで書いて、まだ迷っています。笑われるのか、馬鹿にされるのか。羨ましがられるのか、軽蔑されるのか。どんなリアクションが返ってくるのか、今だに判断できないままなのです。お願いします。どうか、小馬鹿にして笑うぐらいで、納めてくださいますように。
しかし、考えてみれば、これは超人的能力とも言えます。もしも、私のようなスキルが広く世の中に広がったとしたら、この世は好ましくない方向になることでしょう。ですから、夢のプロセスのみ、お伝えするつもりです。
それは、夢の中で起こります。場所は不明ながら、ぼんやりと街を眺めている私がいます。夢の中の私は、重大な発見をして驚いています。今、自分は夢の中にいるという、驚くべき事実を知るに至ったのです。つまり、夢というフィクションの中で、意識は突如として大きく変化を経て、覚醒状態になります。
確かこんな夢体験を初めて経験したのは、思春期に入ってからです。それ以来、夢の中で夢見ている自分に気づく経験は、数知れず起こりました。中年期以降は、夢であることに気づく技を習得しました。ユングだったら、この現象をどう説明してくれるでしょうか?
気づいてから、どう行動したかということについては、絶対に話すことはないでしょう。男どもの皆さんは、どうするのか考えてみましょう。おそらく悪事であり、犯罪になることでしょう。ですから、夢の中で夢を見ていることに気づく方法も、案外簡単な方法ですが、誰にも教えないことを、ここに誓います。
夢を独占できるという思いは、男性諸君を助兵衛君にすると思います。しかし、夢の映像の持続時間は、ほんのわずかです。夢だと気づいた瞬間から、どんどん浅くなり、覚醒に至ります。悪事をする余裕などなく、実に儚く終わってしまうのが、本当のところです。
ですから、ご想像されているような、人道に外れる行為はできません。しかし、目覚めた時に残る悔しさは、他には経験できないことだと思います。そういう意味で言うと、貴重な夢だとも言えます。
年を取ると、夢を頻繁に見るようになるようです。しかし、睡眠中に私と同じ力を発揮できる人は、どれだけいるのでしょうか。夢を見ていることに気づく、特殊能力です。ただし、そうした夢を見る時、睡眠はかなり浅くなっています。見る対象がどんどん崩れていって、残念な覚醒に至ります。
我流な言い方をするならば、意識と無意識の境界線に居るようだと考えます。こういう時に「金縛り」が起きることもあります。例えば、こんな状態になります。
前触れなく、突然めが開く。横になっている自分は金縛り状態で動けません。しかし、目線だけは移動可能です。少し離れた椅子に「私」が座って、こちらを無表情で見ていなす。間違いなく私の姿です。
金縛りは続きます。必死に抵抗します。椅子に座っている私と急に目が合います。これまた急に、金縛りは解けて、「座っている私」の姿も消えます。これを、どう解釈、分析すればいいのでしょうか?
フロイトなら、夢判断することでしょう。しかし、ユングはクライエントの話を傾聴して、一緒に「分析」することでしょう。集合的、普遍的無意識なども指摘することでしょう。
今まで、数え切れないほど、夢を見てきました。中でもよく見たのが、高所から落下する夢です。もしも機会に恵まれるなら、夢分析をお願いしたいものです。何かがわかり、何かが明確化すると思います。人生の課題を見つけることができるかもしれません。
あなたは、どんな夢を見ますか?その意味について、一緒に考えてみませんか?
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