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BLACK感は人それぞれ

更新日:2024年6月20日



 国が掲げるところの「働き方改革」の核となるのが、長時間労働の是正でしょう。労働時間とプライベートな時間の区別を明確にする「改革」のようですが、いい思いをしているのは、行政職の公務員ぐらいだと、文句たらたらの人も少なくないのが、現実のようです。


 確かに、朝に出勤して、帰宅は深夜という人は、世にあふれていた時代もありました。そのせいで、心身を病んだり、過労死という極端な例もありました。「1日24時間、働こうとした」人々です。そういう過酷な労働のお陰で、日本経済は右肩上がり。国に、繁栄もたらしてくれました。


 しかしながら、これは既に昔話。少子高齢化による労働人口の減少。ひいては、終身雇用制も崩れてきているという事実。そんな暗い未来しか、想像できない時代になりました。また、プライベートを大切にしようと少しの贅沢をしたいと思えど、この軒並みの物価高。買い物や外食を控えて、時間の余裕だけがあるといい皮肉な現実となっています。


 残業時間も、誰でも少なければいいわけではありません。残業の手当あって、まともな給料の額になっていると言う人も、多くいました。秋田県の賃金が、それほど低いという証拠になってしまいますが、「定時だと暮らせない」のが、動かざる実態なんです。ここでは、残業時間が求められているのです。


 1日8時間、週40時間では、とてもじゃないがやっていけないという嘆きの声が聞こえます。そういう人たちにとって、働き方改革こそ大きな妨げになるわけです。たとえ、残業時間が多くても、働きたい人もいるわけですから、不利益になるのは、避けたいところです。


 本来のブラック企業とは、極端な長時間労働や過剰なノルマ、残業代、給与等の賃金不払、ハラスメント行為が横行するなど、コンプライアンス意識が著しく低く、離職率が高い、若者の「使い捨て」が疑われる企業の総称とされています。


 私も一度訪れたことがありますが、労働基準監督署は、こんな実態を許しておくはずはありません。ですから、原則としてブラック企業という存在は、ありえないのです。よく若者が使うブラックという言葉は、本来のブラック企業を指してはいない誇張表現だと思っていいかと思うことが多いです。


 労働時間だけを見れば、朝7時出勤で退勤は夜の10時。残業手当なし。書面上だけの休憩時間。土日は部活動という教員は、かなり濃いブラック勤務になります。しかし、自分がそう思っていなければ、ブラックとは言えないはずです。逆に、仕事がワンパターンでないところに、やりがいを感じていました。


 世間では、お堅い仕事と捉えられているかと思いますが、実際は相当アバウトな世界に生きてきたと思います。「先生と呼ばれる程の◯△でなし」とうそぶいて、何でも屋を気取っていました。つまり、教壇に立つのは仕事のごく一部であり、スケジューラからツアコンの仕事までこなしていました。


 ホワイトな時などないまま、定年退職して、「ブラック」という言葉をよく耳にするようになりました。健康経営のテキストによると、職場環境の改善による恩恵のひとつが「離職率の低下」と書かれていて、終身雇用に慣れきった頭には、受け入れがたいものがあります。


 公務員は、低い階段を上がっていくために、職にしがみつくイメージがあります。いつだったか、1月1日付けで9,500円の昇給というのが現実でした。また、教員の給与が、民間よりも高いのを改善すべく、T田知事の号令によって一律7%の減給になりました。


 私にすれば、官民の格差に配慮することが、ブラックそのものだと思います。全体の奉仕者と利益を追及する者を比べることが、ナンセンスです。大企業に入った高卒の女の子が、初めてのボーナスを80万もらったと、浪人の私まで聞こえてきました。それだけ景気が良かったのでしょう。


 羨ましいとは思いませんでした。その企業が大きく傾くと、「公務員はいいな」と言われ、減給まで至ります。そんな仕組みをブラックだと思いました。別の場面でしたが、「忖度」という言葉を知りました。一個人と社会の区別が曖昧だと言うことです。


 また、「同一労働・同一賃金」にも、違和感を覚えます。そもそも「同一労働」という経験がありません。どこか、ウソくさく思います。それが「いろいろ労働・いろいろ賃金」だと、納得するのですが。


 ろくな経験もなしに「ブラックだ」と言う若者が嫌いです。指定された範疇から抜け出せない、呻き声に聞こえるのですが。義務と権利のアンバランスを感じます。


 以上、年寄りの戯言でした。わかりますか?世の中が、ブラックに近いグレーになりつつあることを。昔と今では、生きにくさが大きく違うことを。




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学校心理士

​健康経営アドバイザー

髙  橋     

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